プロフィール

  あやこ3

Author: あやこ3
愛知県在住
1958年生まれ
夫、大学4年の次男と3人家族。
嫁に行った長女、独立した長男あり。


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感動の爆発

赤岳 (八ヶ岳)  2899m    長野県

2008年8月14日  登山歩行時間   約5時間
自宅(3:55)→諏訪SA(6:40〜7:20)→諏訪南IC(7:30)→登山口 美濃戸(8:30)→行者小屋(11:30〜11:50)→地蔵尾根→山小屋 天望荘(13:45)    

     8月15日   登山歩行時間   約5時間
山小屋 天望荘(6:30)→頂上(7:10〜8:20)→中岳(9:30)→行者小屋(10:30〜11:30)→美濃戸(13:35)→もみの湯(14:25〜15:05)→恵那SA(17:05〜18:00)→自宅(19:40)


 何日も前から楽しみにしていた赤岳。
4,5日前から当日の天気予報に一喜一憂していた。
メンバーは夫、長男、私の3年前に踏破した富士山登頂トリオ。

 15日早朝、山小屋周辺は深い霧に包まれ、横殴りの強風が吹いていた。
前方、10mほど先は全く何も見えない。
それでも朝食後、一組ずつ登山客が赤岳頂上の方角へ消えていった。

 何しろ、素人登山トリオである。
背中を押してくれる言葉が欲しくて山小屋の主人に聞いた。
「この天候で(私達でも)登れますか?」
ニッコリと頷き「・・・大丈夫ですよ、騙されたと思って行って来て下さい!」

 ずっと赤岳を見つめて生きて来た人に言われ、勇気100倍。
いよいよ3人でGO!スタートだ。
岩だらけの急登を上り始める。
聴こえるのは風の音と自分の荒い息遣いだけだ。
いつもそうだが他の2人は、どういう身体の構造をしているのか平然と登っている。

 時折、鎖を頼りに登る箇所や直角に見ま違うほどに取り付けられた梯子も登場。
下を見れば卒倒しそうな斜面の場所である。
慎重に確実に一歩一歩登る。

 その内、霧が晴れてきた。
当然モチベーションがグッと上がる。
最後の岩塊を登った。
とうとう登った頂上には、10人ほどの先客がいた。

 頂上から、ゆっくり周囲の景観を見回す。
雲海が昇ったばかりの朝日に輝き、言葉を失うくらいの見事な世界が広がった。
南東には富士山。
その左右対称の美しい形の頭が雲海に、ぽっかり浮かんでいる。

 荘厳さに満ちた眺望だ。
あまりの美しさに、しばし呆然となる。
この美しさに遭遇する為に、昨日からの登りの辛さ、苦しさがあったのかと納得がいく。
今、このひとときで充分過ぎるほど報われた思いがする。
魂が震えるような感覚だ。

 半世紀近く生きて来て、まだこのような感動に遭遇出来るとは思ってもみなかった。
幾つになっても、人生捨てたモンじゃないと思わされる。
流れる汗を拭きもせず、あきるほど富士山を見つめる。

 ここへ辿り着くのに登り6時間弱という、自分にしては、かなり堪えた山だった。
肩で息をし、そこへ次々に立ち憚る岩。
無心に、ひたすら頂上を目指して進んで来た。

 もともと安楽が大好きな自分である。
出来れば、ゴロゴロしていたいのが常である。
それだけに頂上に立っている事が感無量だ。

 ここに立てたこと。
健康、家族、機会、経済、あらゆる事に感謝の念が湧く。
特に、全てのマネージメントをして下さった神様に深く感謝。




                       08-08-15_07-14 雲海に浮かぶ富士山

                      赤岳頂上から見た雲海に浮かぶ富士山


踏んだり蹴ったり・・・。

木曽駒ケ岳   2956m  岐阜県

自宅出発(4:36)→駒ヶ根IC(7:30)→菅の平バスセンター(7:50)バス乗車→しらび平(8:20)ロープウェイ乗車→千畳敷駅 標高2600m(8:30)→宝剣山荘(10:00)→木曽駒ヶ岳リタイヤ(10:30)→夫だけ宝剣岳登頂(11:10)
下山→千畳敷駅(12:30) 落雷の為ロープウェイ運行停止→ロープウェイ乗車(16:30)→菅の平バスセンター(17:30)→自宅(20:30)

 
 お盆休みに八ヶ岳赤岳登山の計画があり、その足慣らしとして急きょ、前日に行ってみようと話がまとまる。
朝、起き掛けにネットで雨雲の動きをチェックする。
午前中は何とか良さそう、とのことで決行!
丁度、高山植物が見頃で一面お花畑との情報もあり、ワクワクして出発。

 ところが、ロープウェイを降りて暫らくしたら、頭痛が始まった。
自然とペースダウン。
駒ケ岳登頂は今回で3回目だ。
3年前に初めて挑戦。
だが頂上まで、あと数十メートルの所で高山病で惜しくもリタイヤ。
たぶん、ロープウェイで一気に高度を上げるので、なりやすいのだろうと思う。
だが次の夏リベンジ、見事に頂上踏破に成功している。

 しかし、今回も1回目と同様の症状が出た。
それでも何とか、ゆっくりでもと、途中の宝剣山荘まで頑張った。
が、あまりの足の上がらなさに、見かねた夫が中止の決定を出した。
その場で取り合えず休む。
私が休んでいる間に、夫は隣の宝剣岳に登って来ると言う。

 宝剣岳は、そこから30分ほどの所にある岩山だ。
鎖をたよりに岩場を登る、見るからに恐ろしそうな山である。
何人かが1列になって登って行くのが見える。
だが、さすがに頂上の1m四方の岩ひとつには、なかなか立てる人は居ない。
夫も実際行って見て、躊躇したらしい。

 とにかく、その頂上の岩に登るのには、指先だけが掛けられるスペースしかない。
よって、ほとんどの人がその最後の岩の下で、あきらめリタイヤするらしく、下から眺めていても、なかなか立つ人は居ない。
当然、そんな場所は登るより降りるほうが恐いのだ。

 それでも夫は暫らく考えてたら、降りられる道筋が想像出来たのでチャレンジしたと言う。
みごと上がったが、恐ろしいので、しゃがんでピース。
予め、居合わせた他の登山者にカメラを預けてあったので、その瞬間はちゃっかり写して貰ったと言う。
残念ながら、私は不調でヘロヘロだったので、見逃した。

 夫が無事、宝剣岳から帰還したので一緒に下山。
頭痛と身体のだるさと戦いながら、ゆっくりゆっくり降りていく。
高山病は、高度を落とせば良くなるので駅到着後、直ぐにロープウエイで降りようと順番待ちの整理券を確保。
だが、乗車出来るのは、それから1時間先に指定された時間の整理券であった。

 身体の不調でフラフラになりながら、駅の待合室で座って待つ。
その内、案の定、天候が急変。
雷が鳴り出してしまった。
そうなったら、ロープウェイは安全確保の為、運行停止である。

 ガビーンと頭痛に苦しむ頭で、その放送を聴く。
見る間に外は大雨。
駅の中は避難して来た人で、いっぱいである。
空気が悪くなるので、雨が入り込まない出入り口は開けっ放しだ。
当然、天候の悪化とともに凄まじい冷気が入って来る。

 しかも、ここはロープウェイで気軽に来れてしまうが、れっきとして3000m近い標高である。
常識的に考えても、標高は1000m上がるごとに気温は5,6度下がる。
単純に下界が35度なら、ここは20度ちょっとである。
そこが雨風の天気になったんだから、たぶん15度ない位だと思う。
それなのに、全くその件に関しての無防備な人が多いのには驚いた。

 ひとめで、お気楽な観光客と判るのは、下界そのままのスタイルの人達。
半袖のTシャツ、ハーフパンツなどで、長袖など全く準備なし。
何しに来たのか、足は素足でサンダル履きという、ノーテンキお姉さんも居た。
当然、駅構内あっちこっちで寒い寒いの、つぶやきのオンパレードである。
大人は自業自得だが、連れて来られた薄着で震えている小さい子供達が、とっても不憫だった。

 寒さと体調不良の中、頭を抱えジーッと待つ事それから3時間。
やっと雷雲が去り、再び運行したロープウェイ。
依然として、くたばりそうな身体を引きずりながら乗り込んだ。

 予定としては天候悪化になる前の、午前中には降りてくる筈だった。
まさに高山病、ロープウェイ停止と踏んだり蹴ったりの登山であった。
だが、やはり雷や雨から間に合い、屋内で休めたことは大きな感謝だ。

 ・・・しかし、こんな目に合っても、たぶんまた挑戦する、懲りない私である。


                                      2008年8月9日


 
                   08-08-09_09-03 千畳敷

                千畳敷カール
               ここを登り切って暫らく行った所でリタイヤ
 

コマクサの咲く山

根石岳(八ヶ岳)   2603m  長野県

2008年7月19日 天気 晴れ

桜平(9:10)→夏沢鉱泉(10:00)→根石岳頂上(12:25)お弁当、お昼寝→根石山荘→下山(14:00)→夏沢峠(14:40)→オーレン小屋(15:00)→桜平(16:15)

 4、5日前から週末の天気が良さそうなことに気を良くしていた。
そんな休日は絶対、八ヶ岳日帰り登山決行だ!
しかし、あろうことか、その日に限って目覚ましをセットするのを忘れる。
目覚めたら、すでに出発予定の4時30分になろうとしていた。
・・・・・・。

 あわてて夫を起こし、めだかにエサ、花瓶の水替え、そして身支度を整え出発。
洗濯、風呂洗いは次男にお任せ!
昨夜、普段はこちらがやってるんだから、と思いっきり恩着せがましく、やっておくように言いつけた。
(ちなみに毎日の洗濯係りは夫、風呂洗い係りは私だ。)

 そんなこんなで予定を大幅に遅れて、登山口の桜平に到着。
当然、満車状態。
何とか小さなスペースを見つけ車を置く。

 参ったのはアブの多さ。
人に群がる習性があるのか、移動するたび集団で付きまとう。
ウッカリ刺されたら、とんでもないので、小刻みで微妙な動きを全身でしながら登山靴を履く。
傍から見たら間違いなく、ヘンなオバサンだ。
結局、そのヘンな動きをしなかった夫は刺された。

 さて、用意万端、出発だ!
もう、ここまでで標高はかなり高いので、下界の暑さが嘘のように涼しい。
近くを流れる沢の音と小鳥のさえずりの中を上機嫌で登り始める。
シラビソの森が続く。

 今回ここに決めたのは、頂上付近にコマクサの群生地がある、と聴いたからだ。
今が、ちょうど見頃だと言う。
薄桃色の花びらが、クルンとカールしている、それはそれは可愛いらしい花だ。
高山植物の女王とも言われている。

 ぜひぜひ、そのコマクサが沢山咲いている風景を見てみたい!
その一心でここまで来たが、何時になく、かなり登りがきつく感じる。
・・・全ての原因は判っている。
このところ4キロも体重が増えてしまっている。

 その重さがモロに足に掛かっている。
足が上がらないのだ。
かなりスローなペースで登る。
気は焦るのに足が付いていかない。

 普段、太り過ぎには充分注意しているのに、最近夫が仕事関係の人からの頂ものを持ち帰った。
なんと、私の大好きなハーゲンダッツの詰め合わせ!
私は特にアイスは食べない、が、ハーゲンダッツだけは特別。
毎日、夕食後1カップずつ律儀に食べ続けたら、こうなってしまった。
おそるべし、ハーゲンダッツ!

 後ろで夫が、とうとう私のリュックを持とう、と申し出る。
私にも意地があるので一旦断る。
夫はと言えば、走ってでも登れそうな位、絶好調だと言う。
では、その走ってでも登れちゃう人に、重量オーバーで、くたばりそうな者がリュックを持って貰ったところでペースが互角になるのかも?と妙な理屈で自分を納得させ、あっさり持ってもらう。

 それでもペースは上がらず、小休止を繰り返し、やっと根石岳の全貌が見える位置まで来た。
すでに足が棒のようになっている。
思い出したように足元に目をやる。

 コマクサの群生地だった。
ヘロヘロになりながら、屈んでジッと見入る。
なんて可愛らしい花なんだろう!気品もある。
穏やかな感動が湧く。
とうとう、此処まで頑張って来た!

 その姿に励まされ、何とか頂上に立った。
空は青く、周囲の八ヶ岳の面々の山も、はっきり見える。
前に鎮座する、東天狗から西天狗への尾根を歩く人々の列も見える。
グルッと360度周って見渡す。
美しい!ほんとに美しい八ヶ岳。

 頂上間近にある山小屋に、帰り際立ち寄る。
根石岳の山バッチを手に入れる為だ。
山小屋のお兄さんが、今日のお天気は最高の眺望を見せていると言った。

 小屋の湧き水を水筒に、いっぱい詰め込む。
下山の前に一口飲んだら、氷水のように冷たかった。
透明で変に主張することなく、素直な味がした。
その軽やかさは、心に染み込むようだ。
下山に向けて、もうひとふんばり!ファイト!と構えた。

                  
                     08-07-19_12-12根石岳
                   
                中央の登山道以外の砂礫にコマクサが沢山咲いていた

いつもの大岩で・・・。

くらがり渓谷     愛知県岡崎市

いよいよ、夏本番!のような暑さがやって来た。
こんな日はやっぱり、涼しい所へ避難。
毎年、暑くなると訪ねる、くらがり渓谷。

 そこの渓谷を暫らく登った所に、大人2人がゴロンとなれる位の大きな岩が渓流の中に鎮座している。
密かに私はマイロックと呼んでいる。
そのマイロックの上には、いい塩梅に渓流沿いの山の斜面に生えている樹木の枝が、覆いかぶさっている。
岩の上には、葉っぱ越しの柔らかな木陰が出来ている。

 何年か前に此処を見つけてから、必ず此処で陣地を張る。
今日も此処でノンビリを決め込む。

 夫も私も今朝から、微妙に頭痛があった。
岩の上で、お弁当を食べ2時間ほど、うたた寝をしながらゴロゴロする。
気が付くと二人とも、やっぱり、頭痛は治っていた。

 こういう事は今まで頻繁に経験している。
森林の癒すパワーを信頼する所以だ。

 爽やかな風を感じて、また明日から一週間ガンバロー!と思った。



                     08-07-13_11-48  くらがり渓谷


     岩に着くと靴をビーチサンダルに履き替え沢の流れに足を突っ込む・・・足湯ならぬ足冷

思いがけない遭遇

神越渓谷   愛知県豊田市


                   08-07-05_12-0神越渓谷


 梅雨入りしても、今年はまだエアコンのお世話になる事はなかった。
だが7月に入ったらと思ったら、さすがに蒸し暑さが襲ってきた。
最初の週末となった東海近辺の天気予報、午前中好いが午後から崩れ、所により雷注意と出た。

 山登りはあきらめて、渓谷に涼みに行く事にする。
駐車場が近い渓谷なら、もし雷が鳴り出しても直ぐに非難出来るからだ。
やっぱり、少しでも自然の中で過ごす週末が、大きなリラックス。

 地図をニラメッコしていた夫は、足助香嵐渓の奥に、まだ行ったことの無い渓谷の名をみつけた。
探検の気分で、ここへ行ってみようと言う。

 ウチからおよそ2時間あまり。
そこは管理渓谷釣り場で、マス釣りを楽しむ何組かの釣り人やその家族で賑わっていた。
釣り人の邪魔にならぬ所で持参した、お弁当を広げる。

 渓流の流れと小鳥のさえずりの中でゆったりとした時間を過ごす。
と、そのうち近くの岩場を2羽のキセキレイが、何度も行ったり来たりしているのに気付く。

 水しぶきを避ける様に、上下にアップダウンしながら水面スレスレに飛ぶ、みごとな低空飛行。
時々、岩場で止まり、首を傾げる様など見ていてあきない。
写真を撮ろうと、その動きを暫らく追う。
ふと、いつも口にエサを咥えているのに気付く。

 夫が近くに巣があるかも知れないと言う。
キセキレイの動きを続けて観察する。
暫らくすると、決まった岩場を拠点にしているのが判った。
 
 キセキレイの留守の間に、行ってソーッと覗いてみる夫。
歓声が上がった。
嬉しそうに私を手招きする。

 示された岩場の奥を覗くと、居ました!居ました!
キセキレイの赤ちゃん。
まだ眼も開けていないし産毛の下から肌の色も透けて見える。
産まれて間もない赤ちゃんが、何羽かクルッと丸まっている!

 ちゃんと、小枝を丸く編んだ巣の上に一塊になってジッとしている。
いじらしくて、可愛くて、何としてもこの命は守らなくては!と強く思う。
驚かさないように、そっと写真を撮る。
それでも近くで親鳥が、ピィピィ鳴き出したので直ぐに退散。
 
 離れた場所で観察する事にした。
こちらを気にしているのか、なかなか巣に入らない。
警戒しているんだと思う。
天敵のカラスも近くを飛んでいる。

 動かぬように、静かに待っていたが2羽は巣の近くでエサを咥えたまま入ろうとしない。
私達が邪魔なんだな、と思ったので残念だが帰る事にする。
こんな事で、いたいけな赤ちゃんキセキレイを飢え死にさせるワケにはいかない。

 それにしても、嬉しい遭遇である。
普段、自分たちが生活している時間にも、こうして他の生き物達も着々と日々の営みをしている。
2羽のツガイで、かいがいしく何度も何度もエサを咥えて行ったり来たりしていた。
こうして夢中になって、子供を育てようと一生懸命な事が、最も充実していた時間だったかな、とふと思った。
 


                 08-07-05_13-53 キセキレイの赤ちゃん

                  

やっと走れます、白山スーパー林道!

三方岩岳  1736m   岐阜県

 ずっと、昔から乗鞍スカイラインと並び、一度走ってみたかった白山スーパー林道。
場所的に漠然と遠いと思っていた。
ところが、昨年長男の金沢への引越しの際、R156を北上するうちに、途中で林道への入り口を見つけた。
思っていたより近い!

 いつか、走りたいと思っていた乗鞍スカイライン。
が、何年か前に環境保全の為、一般車両通行禁止になってしまった。
結局マイカ−でのドライブは夢になった。
白山スーパー林道だけは、出遅れた思いを再び持つ事のないようにと、たまに話題に上っていた。
ここへ来てチャンス到来。
今回また長男の住む金沢を訪ねる事になり、その道中に走ろうと思いつく。

 白山スーパ林道、東は岐阜県の世界遺産にもなった合掌村がある白川村。
西は石川県白山市までを結ぶ、33キロほどの山岳道路だ。
時間にして1時間くらい山間を縫うように走る道である。
さぞ、道中の景色が、みごとであろうと長い間、憧れであった。

 ネットにて「白山スーパー林道」についての情報を集める。
その中で思わず喜んだのが、林道途中にある三方岩岳。
林道の休憩場所の駐車場から、1時間強もあれば往復出来る手軽さ。
おまけに頂上は360度の大展望!

 白山は当然ながら、立山、穂高連峰が見通せるとのこと。
ここまで知れば、絶対登るしかないではないか!
これで当日のランチの場所は決定だ!

 週末お天気が良いことを願う。
果たして週末、梅雨真っ最中なのに奇跡のように晴れ!晴れ!晴れ!
早朝から、上機嫌の滑り出しである。

 自宅から約3時間半走ったところで、岐阜白川村白山スーパー林道突入!
すでに標高1200mはある。
下界の景色が小さく見える。
遠くの山並みも天気の良さではっきり見える。

 幾つかある展望の良い休憩所で、停車しながら、一回一回その景色を楽しむ。
およそ45分ほどで、登山口のある駐車場に到着。
涼やかな空気の中、わくわくしながら登山靴に履きかえる。
こんなに晴れた中の登山、ホントに今日はラッキー。

 いよいよ頂上の眺望に、大きな期待を持ちながらスタートだ。
標高差400m弱を標準40分という、結構、急な登りである。
おまけに高い木が無い為、日差しをまともに受ける。
すぐさま汗が噴き出す。
たぶん季節柄、これ以上夏が深まったら、登るには暑すぎて不向きだ。
先週ようやく林道上の雪が溶けて開通になった。
まさにベストタイミングである。

 途中、タムシバの真っ白な花が山肌を飾るように、あちこちに咲いている。
山アジサイの白も可憐だ。
足元にはイワカガミも点在しているし、初めてみる花もいくつかある。
登山道は、やっと春の様子だ。
こんなに美しく気持ちの良いコースなのに、思ったほど登山客は少ない。

 11時15分、登山口から45分、登頂。
目の前に裾野が広く、悠然と構える白山が見えた。
どっしりと大きく美しい。
その迫力に言葉も出ない。
まだ、雪を冠っている。
・・・結局、心の底に響くような感動が、いつも次への山行きに思いが繋がってしまう。

 カッコウ、うぐいすなど小鳥のさえずりだけが響いている中で、お弁当を広げる。
他には入れ替わりで2,3のグループだけだ。
穏やかで優しく、ゆったりとした、それでいて晴れ晴れとした気分だ。
お弁当を、ほお張りながら、いつか必ず、あの白山のてっぺんにも立ちたいと強く思った。


                     08-06-14_11-25.jpg


                 お弁当を食べた三方岩岳から白山を望む    2008.6.14

アジサイライン

三ヶ根山  350m  愛知県蒲郡市

 昨夜の天気予報では、今日休日は曇りのち雨。
案の定、朝から今にも泣き出しそうな空だ。
こんな日でも似合うのが、やっぱりアジサイ。

 ドライブがてら、三ヶ根山に向かう。
この山は有料道路が走っていて、その沿道にはアジサイが沢山植えられている。
果たして、ちょうど見頃であった。
淡い青、薄い紫、柔らかい桃色など、優しげで小ぶりなアジサイがズラーッと沿道添いに咲いている。
ゆっくりとしたスピードで上って行く。

 頂上付近の駐車場に車を置き、見晴台まで登った。
三河湾がスッポリ見える。
天候のせいか、ガスではっきり眺望は捉えられない。
それでも、おぼろげに小さく見える街や、遠くの海を俯瞰するのはいい気分だ。
 
 ふと、まだ結婚前の頃、この山の頂上に、会社の同僚達と集合した事を思い出した。
夏真っ盛りの頃だった。
会社の昼休みに、誰かが岡崎の花火大会を、三ヶ根山から皆で眺めよう!と言い出した。
なんとなく、みんな山のてっぺんから眺めたら、さぞよく見えるんではと思い、口々に賛成した。

 夜間なので女の子だけではと、それぞれ彼氏同伴で集合となった。
もっとほかに居たと思うけど、今、思い出すのは奈保子さんと純子さん。
もちろん、それぞれの彼氏も一緒だ。
何組かのカップルでワイワイと、花火が始まるのを期待いっぱいで待った。
私達のグループ以外は誰も居なかった。

 ほどなく始まった。
・・・・・・でも、あんまりよく見えなかった。
情けないくらいの小さな光の輪が、見えただけだった。
みんなが気落ちするのが分かった。
誰かが笑った。
続けて他のみんなも笑った。
だんだん大きな笑い声になって、闇夜に、こだました。

 みんな若かった。
あの頃は同じようなメンバーでよく遊んだ。
たしか「ホタルを捜しに行こうツアー」にも出かけた。
それから、しばらくして奈保子さんは三ヶ根山へ一緒に来ていた彼と別れた。
純子さんは、一緒に居た彼と結婚した。

 年月が経つうちに、あの頃の仲間とは、お互い消息も分からなくなっていった。
今は何処で、どうしているのか・・・。

 「みんな、元気で暮らしているかーッ?」
「私はあの頃と、ほとんど変わってないよーッ!」

 奈保子さん、純子さん、今でも私は面白い事が大好きで、キョロキョロしています。
あの時一緒に居た彼も、オジサンになって、そのままチャッカリ隣に居ます。
出来たら、もう一度、三ヶ根山に集合しませんか?

 梅雨のアジサイは絶対、当たり!ですから・・・。


石楠花(シャクナゲ)滑り込みセーフ

烏帽子岳 (えぼしだけ)   872m   岐阜県

 「うー・・・痛い!」 腿の内側辺りが痛い。
夜になっても、痛みは引かない。
ガイドでは体力度Bランク。
しかし、思いのほか急登が延々続いた。

 石楠花の群生があるとの記事に、ウもスもなくこの山に決定する。
しかし登りが苦しく、すっかり石楠花など頭から吹っ飛ぶ。
息を弾ませ、小休止を何度も取りながら登る。
延々と続く階段を、ふと見上げると視界の上まで続いている。

 これ以上見上げると、ゲンナリするので1mほど前方を見ながら、ひたすらゆっくり上る。
後ろから夫がノーテンキな声で、やれ昨日こうだった、だの、この前のTVがあーだったねぇ、だの話かけてくる。
わたしゃ、それどころではない!
返事をするのさえ、億劫だ。

 暫らくして、わずかな上り傾斜が付いた尾根歩きになる。
それすら、少し辛く感じる。
だが相変わらず 「ホントに気持ちの良い道だねぇ!」 と全く、意に介さない夫である。

 およそ、1時間半を過ぎた頃。
レンゲツツジのオレンジ色の花が目立ってきた。
丁度、みごろで新緑に映えて美しい。
苦しい身が報われるような思いだ。

 シロヤシオやサラサドウダンツツジも見つけた。
沢山はないが、ポツリポツリと登場する。
その度に休憩して、写真を撮ったり眺めたりと楽しむ。
やはり、その季節にしか咲かない花との遭遇は、山登りの大きな醍醐味である。

 時間的にも、もうすぐ頂上だと見当を付けたときだった。
足元に白から薄桃色に変わっていく、漏斗状の花びらが幾つか落ちている。
ハッとして見上げたら石楠花だった。
残念ながら一足遅かったらしく、一塊になった花々は2,3あるだけだ。
だが、遅咲きのそれも、優しく上品で可憐である。

 それまでの疲れが吹っ飛んでしまう瞬間である。
もう、1、2日遅かったら会えなかった。
山で見る石楠花は、なぜこんなに美しいのかと思う。
人間に庇護されることなく、自らのみの力で花開く強さが美しいのか・・・。

 ・・・しかし、足が痛い。
帰路も同じ道を使った。
下りは下りで、重力に乗って落ちようとする身体を止めなくてはいけない。
またもや、苦しい。
やっとの事で車にたどり着いた。

 「ねぇー、今日のコースけっこうキツかったよねぇ」 と夫に同意を求める。
が、涼しい顔して「そうかなぁー?」
・・・・どこまでもタフなオジサンであった。

ミツバツツジのアーチをくぐって

鶏冠山(とさかやま)  490.9m  滋賀県大津市

 山あり谷ありの変化あるコース、随所に迫力のビューポイント、ぐるりと周遊可能!
おまけに2ヶ月前に開通した新名神、記念で6月30日まで割引有り。
そこまで聞いたら、絶対行くしかないではないか!
ぜひ、滋賀県まで遠征だ。

 新しい高速道路、当たり前だが山の中を縫うように伸びている。
車窓からの山々の景色が、これまた大きな楽しみである。
所々に目に付くのはミツバツツジのピンクである。
桜のような華やかさはないが、健気に自己主張している。
若葉に混じっても、充分目を引いて綺麗だ。

 たどり着いてみると、なんとこちらの山もミツバツツジのオンパレードである。
意図していなかった事もあり、感激度が大きい。
丁度、満開で登山道脇に、あっちにもこっちにもと登場。
思いがけず、ミツバツツジを見上げて歩く事になる。
偶然、こんなに良い時に来られて、嬉しい気持ちで一杯である。

 新緑も鮮やかな萌黄色でほんとに美しい。
渓流の音に交じって、小鳥のさえずりが聴こえる。
稜線上にある、風化した花崗岩の景観も珍しく、見ごたえがある。

 大きな岩石をロープで登ったり、ウッカリ下を見れば卒倒しそうな箇所を、鉄梯子で渡ったりと確かに変化に富んでいる。
樹林帯も少ないので、登山道での眺望も抜群である。
開放感あふれ、登っていても気持ちが良い。
そのうち頂上付近になり、アッとびっくり!

 なんと、イワカガミの群落ではないか!
・・・イワカガミ、アールヌーボーのテーブルランプのような形をしている。
小さくて可憐なピンクの花である。
それら沢山の株が、あっちにもこっちにも木々の根元で咲いている。
こんなに沢山のイワカガミを一度に見たのは初めてである。
またもや、大感激である。

 頂上に着く。
木々に遮られ眺望は、ほとんど無い。
記念撮影のみして、先を急ぐ。

 暫らく行くと天狗岩という、巨大な岩が出現。
人が数人上がっているのが見える。
自分もよじ登り、おっかなびっくりで上に立つ。
恐ろしい思いをしただけの事はあり、琵琶湖や南、東方面の山々など大迫力の展望である。

 人ごみは苦手なので、もう少し進んだ眺望の良いところでお弁当にする。
時計は12時半を示していた。
登山口スタートから、すでに3時間経過している。
朝4時半に起き、張り切って作ったお弁当。
お腹がペコペコで胸の透く景色を前に、食べるのは本当に贅沢。
贅沢っていう言葉、あんまり今まで使う事なかったが、こういう時に使うんだな、と最近実感。
 
 それにしても、今回のミツバツツジとイワカガミは望外の嬉しさである。
まだまだ、行ってないところ、見たことない景色がいっぱいある。
知らないところ、知らないですごしていた所への憧れで心は次の山へ向かう。

 

※ そうそう今まで沢山、色んな山に行ってるけれど、知っている人には一度も会った事がなかった。
  しかし今回、登山口で隣町に住んでいるイトコに、偶然バッタリ会った。
  お互い、腰を抜かさんばかりに驚いた。


円の中心

経ヶ峰   819m  三重県

登山口の駐車場から、いつものようにお弁当とお昼寝マットが入ったリュックを背負い、出発。
もはや辺りの桜の花は、ほとんど散りかけ葉っぱの新芽が芽吹いている。
それでも、桜らしい甘い香りは春の陽光にのって漂っている。
耳に飛び込む音は渓流の水音のみ。
穏やかで、ゆったりとした空間の中を歩き始める。

 暫らくするとウグイスの鳴き声がする。
足元には見慣れないスミレ程の大きさの白い花が、転々と林道脇に咲いている。
ぜひ、名前を知りたいのでカメラに納める。

 山に行くようになり、沢山の花、木、鳥の名前を覚えるのが大きな楽しみである。
昨日まで単なる花だったのが、名前で呼べる嬉しさは、新しい友達が出来た時の喜びと似ている。
自分にとって、かけがえのない存在のひとつとなる。

 先週、久しぶりに高校時代の友人から電話があった。
私が毎年送る、年賀状に写っている山でのスナップ写真。
添えられた文面の 「休日は山に行ってるので、いつも留守です」 のコメント。
面白そうだと刺激を受け、つい先日、宮路山(愛知県)に登って来たと言う。
頂上からの眺めには感動した、と興奮して話す。

 ここ経ヶ峰、1時間半ほどかけて登り切った頂上は何と360度、視界を遮るモノがない。
外を向き、グルーッと回転しながら景色を眺める。
霞繋ってはいるが、遥か彼方の山並みまで見える。
下界の小高い山々の谷間にある、寄り添うような集落も点々と見える。
心が、いっぺんで浄化されるような美しい眺めである。

 帰りの尾根道を、鼻歌交じりに愉しげに歩く。
頭上ではヤマガラが木と木の間を飛び交う。
こうして今日も元気に山へ来られた事が嬉しいし感謝と、しみじみ思う。

 今夏に10数年ぶりだが、クラス会の予定があるそうだ。
約30数年前の高校生だった自分。
こうして山登りを楽しんでるなんて、全く想像すらしていなかった。
だからこそ、先のことをアレコレ考え決め付けてはいけない、と謙虚にもなる。
幾つになっても明日は判らない。

 ここはコースも判り易く、難しい場所も無い。
なのに頂上はサイコーの景色が堪能出来る。
今度、会ったら一番に奨めてみよう!登山を始めた友達に・・・。

桜三昧

萩太郎山  1358m  愛知県(長野県との県境)

 2008年春、こんなに 「桜の追っかけ」 をする年は初めてである。
2週間ほど前から、この辺りでも咲き出した桜。
勤めている、ディサービスでも束の間のメイン行事が花見に決定。
よって、お天気さえよければ外出となる。
車椅子を車に積み込み、前回はあの公園だったから、今日はここの並木道!とばかりに出没している。

 今日あたり、ソメイヨシノは散り出している木々もある。
が、留めのように今度の金曜日、仕事でシダレ桜の名所に行く予定。
少し遠出をして、お年寄りの遠足にとシャレこむのである。
こんなに見続けていても、行くたびに感激である。
お年寄り達も歓声の連射だ。

 咲ききっても、けっして変色しない薄桃色の花びら。
いっとき満開になったと思ったら、風の流れに乗って雪のように舞っていく。
きっぱりとした潔さを感じる情景である。

 仕事で桜を見続けているのに、やっぱり休日も桜を追う。
そろそろ、雪どけ跡からフキノトウが顔を出す頃である。
去年、見つけた嬉しさが蘇り、もう一度、萩太郎山まで道中の桜を眺めながらドライブとなる。
思ったとおり、あっちにもこっちにも満開の桜だ。

 特に足助の町に入ると、川沿いは見事な桜並木である。
薄桃色の大きな集合体が、ここ一番とばかりの張り切りようである。

 およそ2時間半、堪能しながら走って到着、萩太郎山。
まだ、風冷たく、周囲の桜ももちろん咲いてはいない。
所々の残雪を避けて冷たい微風の中をゆっくり登る。
遠くを眺めれば、南アルプス3000m級の山々が見える。
雪を冠って美しく輝いている。

 目を凝らして足元を捜す。
あった!あった!フキノトウ。
雪解け水の湿った土の中から健気に顔を出している。
1300mの地にも、やっぱり春が来ている。
あと2週間もすれば桜が咲き出し、すっかり春の装いになるだろう。

山、笑う

鍵掛山   587.8m  愛知県鳳来町

 お目当ての山が近くになるにつれ、道路の両側では梅畑が沢山現れる。
淡いピンク、濃いピンク、クリームかかった白など、それぞれがお行儀良く集団で咲いている。

 「梅の湯」 なんて温泉もある位で、どうやら梅の産地らしい。
あっちこっちに見受けられるので、右やら左やらと向きを変え忙しい。
鮮やかな、黄色の菜の花畑も目に飛び込む。
水仙の群落も見かける。

 登り始めると、登山道の両脇の木々の芽が小さく飛び出している。
頂上が近づいた時だった。
聴こえる!
はっきり立ち止まり耳を澄ます。
ウグイスだ!

 今年 「初」 である。
このところ、ずっと何時、聴こえるのだろう?と楽しみにしていた。
気持ちの上で、やっと春になった気がする。
鳴いた、鳴いたウグイスが鳴いた。

 しかし、ハックショーン!ズルズル・・・。
いよいよ花粉症が本格的に始まった。
・・・そんなワケで残念だが、しばらく山は、お休み。

 いよいよ 「山、笑う」 の季節到来。
症状が少し治まったら必ず来るよ!

 

頂上は、まだ冬でした

鞍掛山  882.6m  愛知県設楽町

 あっちこっちの渋滞に遭遇。
登山口に着いたのは予定を大幅に上回り、11時を廻っていた。
本日のコースは休憩を含め、おおよそ5時間半の道のりである。
並みのペースで、戻ってくるのは午後4時半。
スタート、ちょっと遅いかなぁ・・・。

 常に心がけているのは日没より最低でも1時間前には、車に戻れるように計画を立てている。
時刻としての目安なら15時くらい。
やはり、山を甘くみてはいけない、との戒めからだ。

 迷いながらも何の根拠もないと思われる、夫の「大丈夫!」の声に押されて、しぶしぶ一歩を踏み出す。
石橋を叩きすぎて!渡るタイプの私と橋の材質すら、あんまり気にしない楽観的夫のコンビである。
様々な場面で危険を想定し躊躇するのは、いつも私だ。
最もその性分のせいで、遭遇する筈だった面白い事をけっこう逃しているかもしれない、と時々思う。

 反対に夫の 「何とかなるさッ」 に引っ張られ、やっぱり何とかなってしまった事も多々ある。
・・・まぁ今回、事前に確認した復路が、ほとんど東海自然歩道だった事を思い出し、まず迷わないし危険度も少ないと判断。
GO!である。

 ところが行きのルートが思いのほかキツイ。
アップダウンが多く、おまけに急傾斜である。
アキレス腱を思いっきり伸ばして踏ん張る。
所により、あまりに急で手当たり次第に木の幹を掴み、腕の力も使い身体を持ち上げる。
久しぶりに単発連続体力勝負の山である。
時々息が切れて小休止をする。

 登りが登りなら下りも凄まじい。
公園の滑り台に付く梯子くらいの角度の坂が続く。
しかも鎖もロープもない。
腰を落として慎重にゆっくり降りる。

 それでも帰りの時間に余裕を残したく、頑張る。
結果、標準2時間半の所を2時間で頂上到着。
夫に訊くと、最近は何処へ登っても標準タイムの1、2割早く登れているとの事。
始めたばかりは逆に1、2割余計にかかっていた。
体力が着実に付いている事が嬉しい。

 883mの頂上。
登山道のところどころに薄い氷が張っている。
1日中、日陰かと思われる場所には残雪もある。
気温も低く、鳥の鳴き声も聴こえない。
他の登山客は全く居ないし、登ってくる気配もない。
吸い込む空気は、しっかり冷えている。

 腰を下ろし達成感に浸り、お弁当をほお張る。
周囲を木々に囲まれ眺望は、それほど良くないが古い東屋からは奥三河の山並みがズラーッと見える。

 ふと、間近な木の枝が揺れた。
なんとシジュウカラである。
静けさの中、歓声が響く。
こんなに冬そのものの、時が止まったような景色の中で見かけた唯一の生き物。
嬉しさが、しみじみと湧く。
・・・が、やはり冷える。
名残惜しいが食後そそくさと敷物を仕舞い、下山とする。

 帰りのルート上には日本の棚田100選にも入っているという、見事な四谷千枚田の一番上の道を通る。
曲線で美しく仕切られた沢山の田んぼが下へ広がって伸びている。
しばし見とれる。
実際、携わっている農家の方達の作業の大変さを思い、複雑でもある。

 舗装された林道を、暫らく歩いたら見慣れた車が見えた。
時計の針は午後3時半を廻ったところである。
思いのほか早く帰られた。
夫に 「良く頑張ったね!」 と褒められる。
いえいえ、日が暮れるまでに降りたかった一心でしたよ。
安堵感に浸り、登山靴を履き替えながら周りを見渡すと、梅が控えめに咲いていた。

 だんだん春が登っていく。

森の中をお散歩

昭和の森    愛知県豊田市

 久しぶりに晴れた休日。
用事を済ませた後に車を走らせる。
もちろん、お弁当持参である。
お昼寝マットも忘れずに!

 ここは根性とは無縁に森林浴が出来る。
なだらかな丘が幾つか組み合わさった森で、ルートを何通りも組み合わせられる。
まだまだ、丸坊主の木々が多い。
それでも、アセビやオオイヌノフグリの控えめで、小さな可愛い花をみつける。
春がやって来たんだなぁーと嬉しい。

 四季折々に美しい日本。
どの季節も好きだが、やっぱり春が一番好きだ。
あの春独特の柔らかい空気と、辺りの景色がパステルカラーに染まってしまうのに心が躍る。
様々な時代のスタートを切った思い出と、連動している事もある。

 一際高い丘に立つ。
遠くの山並みが美しく見える。
左から木曽駒ケ岳、空木岳、恵那山、大川入山、寧比曽岳、六所山などなど・・・。
1000m以上の山々は美しく雪を冠り、まだ冬真っ只中である。

 でも、平地は着実に春が来ている。
春だ。春だ。
もんくなく春である。

のんびり山歩き

石巻山(358m)、富士見岩(415m)    愛知県豊橋市

 このところ、休日のお天気に恵まれ、3週続けて山歩きが楽しめている。
先々週は宮路山、五井山(愛知県蒲郡市)、先週は本宮山(愛知県豊川市)。
今回は赤石山脈から連なる山並みの南の端、愛知県と静岡県の県境を南北に伸びている弓張山地に含まれる山々である。
みな、500m以下の里山である。

 4年ほど前に、1度登った。
前回は石巻山を登り、そのまま他の山への縦走を試みたが、天候悪化にて途中で引き返す。
今回は、その引き返したルートへまずは再挑戦。
石巻山自然科学資料館近くの駐車場に車を置き、そこから約6キロ程先にある富士見岩へ向かう。
帰路に石巻山に登るという計画である。
全工程往復13.2キロ、約5時間の歩行予定だ。

 以前、初めて別のルートから登り、この富士見岩から見事な富士山が見えた。
居合わせた他の常連登山客から、こんなに富士山がはっきり見られるのは年に数回、と言われた。
ビギナーズラックである。
感激しながら見とれた。

 でも、本日は少々曇っている。
風もないので、おそらく富士山は望めないだろう・・・。
それでも、やはり山道を歩くのは気持ちが良い。
身体中の細胞がワサワサと蘇るようだ。
しばらく歩くと草むらの影から、いきなり何羽かの鳥が飛び出す。
メジロである。

 里山を歩いていて最も楽しみなのは、確実に季節が動いているのを実感出来る事である。
枯れ木の先に小さな新芽を見つける。
今まで聴こえなかった鳥の鳴き声にハッとする。
乾ききっていて、ちょっとした足の運びで一揆に舞い上がる落ち葉の山道。
歩きながら全身で山の 「いま」 を楽しむ。
緩やかな稜線歩きが結構続くので、鼻歌交じりである。

 お目当ての富士見岩に着く。
見晴らしの良い丘に鎮座する、直径4,5メートルはありそうな巨岩である。
その上によじ登る。
遠く遠州灘から手前の浜名湖、湖西の街と胸の透く景色が広がる。
もちろんランチは、ここだ!

 今の自分にとって、こうして食べるお昼ご飯がサイコーの贅沢である。
満ち足りた思いで景色を眺め廻す。
まだ冬の中であっても、ほんのひと時の暖かな光を全身に浴びている。
風は無く穏やかだが、深呼吸したら分かった。
空気はやっぱり、まだ冬だ!


                                   2008.2.2
              

今年も会いに来たよ!

小倉山  840m  岐阜県

 久しぶりに山だ!という思いだ。
今回は、去年やはり紅葉目当てに登った養老山への途中に通り過ぎた山、小倉山。
眺望が抜群で、休憩出来る場所も結構あったので、ぜひもう一度!とやって来た。

 朝5時起床。
お弁当を作り、夫と家事を片付け車に乗り込む、7時20分。
養老の滝駐車場に9時20分到着。
辺りの木々は見事に紅葉している。
ウットリしながら養老の滝公園を抜け登山口へ向かう。

 山へは前回と実際は1ヶ月位しか間は空いてないのに、もっと永いこと来れなかった感じがある。
だからこそ、余計嬉しく極上の気分であった。
おまけに、めったに寝込む事のなかった自分が先週末、風邪を引き2日間布団の中であった。
たぶん、山に行って汗をかくことがなかったからでは?と無理やりくっつける。

 いつか読んだ本の中で、スポーツの効用の一つに汗をかくこと、とあった。
汗をかくというのは、上昇した体温を下げる為だ。
けれど、この体温が上がる、というのが身体にとてもいいのだ。

 身体に進入したほとんどの細菌は熱に弱く、死んでしまうとの事。
つまり、人間が意識してなくとも、汗をかいてる身体の中では自然に病原体が自滅している。
だからこそ、身体をリセットする為にも山は必要なのだ。

 ・・・カサコソと落ち葉を踏みしめる音を聴きながら、秋の日差しの中を登る。
紅葉素晴らしく、その中を歩いている自分が、とてつもなく贅沢に思える。
およそ、2時間余りで頂上に着く。

 周囲の山々は見事な錦織であり、眼下には濃尾平野が一望である。
こんなに素晴らしい秋の真っ只中に座っていられる事が、本当に嬉しく愉しい。

秋が行っちゃう前に


 パソコン開くたび、必ずついでに確認する。
八ヶ岳の赤岳頂上に設置してあるライブカメラ。
今朝は青い空をバックに、辺りはうっすら雪を被っている。
そろそろ、3000m級の山は雪山の季節である。

 今、秋は1500mくらいに滞在中かな?
それでも少しずつ里へも降り始めている。
我が家にある漆の木も、一部分ずつ赤くなっては落ちてを繰り返し、榎に至っては、もう全てみすぼらしいような枯葉状態で、やっとこ木にぶら下がっているという具合だ。
もちろん、このあたりは昼夜の寒暖さの変化がそれほどでもないし、木の特性からも、息を飲むような紅葉は期待出来ない。
やはり、みごとな紅葉を期待するなら「山」だ。

 先週見たTV番組で登山家の田部井淳子さんが 「海外の山も紅葉するが日本のように赤や黄色にと色取りどりではない、やはり日本の紅葉は素晴らしい」 とのご意見。
いつか行った山もそうだった。
赤、黄、橙、茶、と言ってもそれらが各一本ずつ微妙にトーンが違うので全て揃ったら、まさしく山一面が上等な錦織となってしまう。

 本当にウットリしてしまう。・・・が、まだ今年はそのウットリに出会っていない!
天気、私事、休日など条件が揃わなく行けず終いである。
家事をやってる時、紅葉前線のニュースが出るたびに動きが止まりTVの前に鎮座し「ホー!」だの「ワー!」だの感心しているだけである。

 なんとか、今年も紅葉真っ只中の中へ飛び込みたいものである。
・・・「秋、装う」 とは全く、見事に日本の秋を言い当てていると、しみじみ思う。


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