久しぶりに休日は雨。
この時期の雨は、春に向かって花開く植物には、とても大切なので嬉しい。
山は中止だ・・・よし!今日は以前から一度見てみたかったシャチを見に行こう・・・と思いつき、張り切って飛び起きる。
2年ほど前だった。名古屋港水族館に和歌山県の太地町にある、くじら博物館からシャチが引っ越して来る、とのニュースを観た。
なししろシャチである。
さぞ、大きいと思う。たぶん今まで実際に見た動物の中で、一番大きいに違いない。
そんな大きなものが、悠然と水の中を泳ぐ姿なんて、想像しただけで気分がいいではないか!
そこら辺の熱帯魚が、ちまちまと泳ぐのとはワケが違う!ぜひ、観たいものだ。
だが、引越しした当初は大ニュースになった。
連日、大勢の人が押しかけていたので、人気が落ち着いたら行こうと思っていた。
人ごみの隙間からチラッでは、この好奇心は収まらない。
あれから2年の月日が流れた、本日決行である。
朝一番、夫に言う。
「シャチを見に行こう!」
「はあッ?・・・シャチィ?!」
何を突然このおばさんは言い出すんだと、言わんばかりのリアクションだ。
「うん、ずーッと前、名古屋に来たってニュースに出ていた・・・シャチのクーちゃん!」
「ク、クーちゃん!?」今度は素っ頓狂な声で、驚いた。
私は胸を張って、自信たっぷりに続けた「シャチの名前だよ、クーちゃん!」
夫はたじろいだ。まさか、妻がシャチの名前まで知ってるなんて・・・。
よっぽど見たいんだと、シャチに向けるこちらの熱意を判ってくれた様子だった。
・・・すぐさま、名古屋港水族館へ向かう。
やっぱりシャチは大きかった。
5メートルはあるそうだ。
水族館のスタッフの説明によれば、シャチは知能が高く、イルカの様に人間とも信頼関係を結ぶことが出来るし、最近の研究では同じ水槽にいる、他のイルカとコミュニケーションを取れる事が、判ってきたそうだ。
しかし、水族館のように、自分で餌をとる必要がなく外敵も居ない、というたいくつな状況におかれていると、内面的にも肉体的にも衰えてしまうので、毎日遊びも兼ねて芸を覚えさせている、との事だ。
人間だって何もしないで、毎日のんべんだらりと過ごせば、全ての機能が衰えていく。
それと一緒なんだと、いたく感心した。
さて、ここでは、その芸の練習の様子を見学する事が出来た。
実際に、大きなメインプールで泳ぐシャチは大迫力である。
空中にぶら下がったボールに、ジャンプする姿には感動を憶える。
ジャンプして、落下した時の水しぶきも半端じゃない、爆音と大量の返り水だ。
それでも、まだ練習中とあって、なかなか空中のボールに届かない。
何度も挑戦するが、あと少しだ。
一生懸命挑戦する姿は、なんだかいじらしい。
シャチがこのような芸をしようとするのも、トレーナーとの深い友情があってこそ可能だそうだ。
それを思うと、トレーナーとクーちゃんの関係に胸が熱くなる。
お互い、深いきずなを築いている毎日なんだ。
「クーちゃん頑張れ、クーちゃん頑張れ」と大声援である。
こんなに練習してるんだから、きっとお客さんの前で正式に披露する日も、近いうちにやってくると思う。
しばらくしたら、絶対また来るよ!
・・・その時は、イルカに前座をやらせて君がスターだ!・・・間違いない!

☆ボールまで、あとちょっとなのに届かないクーちゃんのジャンプ