竜ヶ岳 1099m 三重県
最近買った、鈴鹿山系のガイドブックの説明が、誠に懇切丁寧に書かれている。
よって、ついつい、そちら方面に食指が動く。
本日は竜ヶ岳。
鈴鹿山系北部にある、笹原に覆われた緩やかなドーム型の山である。
登山道は表道、中道、裏道と3通りある。
特に深い考えもなく、素直にガイド通り中道を登り頂上へ、そして表道を下山する、
という見本コースに従う。
登り始めて、だんだん自分が昔、子供達が夢中になったファミコンゲームのマリオ
になった気分になる。
とにかく頂上まで、様々な障害物が、どうだ!とばかりに出て来る。
まずは、沢の片側に右と左に交互に伸びている、登山道のクリアーである。
沢は2日前に降り続いた雨で、水かさが少し増しているし、流れも速い。
場所によっては靴の中に、水が入りそうである。
そこを、水中に転がった岩を選びながら、踏み石にして渡る。
結構滑りそうなので、慎重にゆっくり渡る。
そうかと思えば、トントントンと、調子よく走れそうな尾根道もある。
頭の中であの小気味よい ♪タタッタッ、タッタ、タータン♪ とマリオのテーマが鳴る。
また、1本のロープで自分の身体を引っ張りながら登る岩場。
コンクリートの絶壁に、鉄筋の枠だけの階段も出てくる。
もちろん鎖場だってあるぞ!
・・・さすがに火を噴くドラゴンは、飛び出さなかったが・・・。
そのうち、頂上から降りてきた人にすれ違う。
挨拶すると、こっちから登るの?って心配そうに聞かれる。
ハイッと、特に気にしなく進む。
すると、出ました!急傾斜で、ところどころに生えている木々の根っこを引っ張りながら
登っていく岩壁のお目見え。
見上げるが、どの位、先が登りきりか、よく見えない。
一瞬ひるむが、ここまで来たんだ挑戦しようじゃないか!
ゆっくり時間をかければ登れると、必死に踏ん張る。
なんとか登りきると、そこでは地元のおじさん達が草刈のためらしく、電動カマを横にお弁当
を広げてみえた。
そこへヨレヨレになった、おばさんが下から登場したもんだから、びっくりした顔で、よく上っ
てきたねえ、と目を丸くして言われる。
そっか・・・結構きついコースなんだ、と改めて思う。
そういえば、最初にもっと良く、地図からルートを検討すれば、優しい道順も計画出来た
気がする。
よく知らないって無謀だ。
・・・でも知らないから、挑戦するチャンスが出来たんだ、とも思った。
笹原を緩やかに登っていくと、そこは360度の頂上、大パノラマである。
周りの山々の、名前を確認しながら眺める。
もう、頂上に立った山がいくつかある。
伊吹山、御在所、藤原岳、鎌ヶ岳・・・そして前回、登った御池岳。
それでも、ほんの一部である。
またコツコツひとつずつ登ろうと、気持ちも新たに誓う。
向こうに見えるのが竜ヶ岳