昨年の事だった。
通っているパン教室で先生から天然酵母をいただいた。
店で使用しているものだ。
自宅に持ち帰り、早速パンを仕込んだ。
何より驚いたのは、その酵母の力強さ。
酵母が詰まった空き瓶を、開けた途端「プシュッ!」と、ビックリするほど大きな音で炭酸音がした。
あまりの勢いのよさに、プロの技術を垣間見た思いであった。
店では1日2000個も焼く。
それらが間違いなく時間通りに発酵しなければいけないのだ。
100発100中の酵母でなくてはいけない。
何とか、同じモノが出来ないかと試行錯誤の日々。
ネットで調べ、図書館で調べ、本屋で立ち読み比較検討。
しかし、どれも大雑把で明確な基準がなくアイマイな作り方。
おまけに、ふと気が付いたのは、先生のように旬の作物で作っている天然酵母のパン屋はほとんどいないこと。
大方、レーズンなど作りやすい素材で、しかも年中同じだ。
もっと簡単な店は、市販の天然酵母を使っている。
確かにそれでも良いが、身土不二の考え方からいくと、やはりその時期に地元で取れた作物を身体に入れるのが一番ベストだ。
でもそれを追求するのは、とんでもなく難しい事なのか、手間暇かかる事なのかと考え込む。
一応、先生が授業の中でサラリと触れた天然酵母の作り方。
疑問点は幾つかあったが、何しろ忙しそうな先生、実習中もやってるパン以外の話は出来ない雰囲気。
仕方なく、判らない所は自分で見当を付け工夫する。
そして実験。
あーでもない、こーでもないと落胆したり、度重なる失敗ぶりに暫らく手を付けなかったこともある。
しかし、しかしである!
今回やっと先生と同じ具合に作用する、安定した酵母が完成した。
しっかり25度で一次発酵12時間、30度でベンチタイム40分、35度で成型発酵2時間。
温度さえ、ピッタリ合っていれば確実に時間通りで目的の作用をする。
酵母の作物は、取れたての「さくらんぼ!」である。
初めて自信の自作酵母で焼いたパン。
こねる材料は粉と最低限の砂糖と塩のみでOK.
たった、それだけで味わい深く、それでいて飽きないシンプルさがある。
まさに毎日食べられる食パンである。
ここまでたどり着くのに、一山越えた思いだ。
目的の山は遥か彼方に見える。
それでも、歩かなければゼロ。
一歩でも歩けば、間違いなく近づく。
どんな大きな数も「1」が集まって出来ている!
・・・昔、自分で自分を叱咤激励するときに頭をよぎったセリフだ。
まさか、この年になっても、こう思う場面があるとは思わなかった。
一方、大っきな道楽をしているような気もする。
トラックバック
http://yatugatake425.blog84.fc2.com/tb.php/131-0e815da1
| HOME |
▲ page top
ありがとうございます(^-^)
でも、たまーにコレで単なる趣味で終わってしまったら、とんでもない道楽をしていた事になり (美味しいパンを焼きたいが為に、最初は電気屋さんに、こんなデッカイのを売ったのは初めて!と言わしめた電子オーブンレンジ。 それでも満足出来なく、次はガスオーブン購入。 そして、とうとう石窯まで行き着いてしまった!)
バァさんになってから、息子達に「この石窯どうすんだ!」と言われてるような気がしないでもないんです(笑)